医療法人社団清樹会 富川クリニック
 



COVID-19(新型コロナ)と診断された方へ

・5類となり、法的な規制はなくなりましたが、症状が出た日を発症日(0日)として、その翌日から5日間の自宅安静が推奨されています。自宅待機期間は5日間ですが、10日程度ウイルスの排出が続きます。この期間はマスク着用、高齢者などハイリスクな方との接触は避けるなどの配慮をお願いします。学校の出席停止期間は、症状が出た日を発症日(0日)として、その翌日から5日間となります。
・ご自宅ではマスク着用、部屋を分けるなど、可能な範囲で感染対策をお勧めします。
・ご家族に発熱等同様の症状が出現した場合、COVID-19(新型コロナ)の可能性が高いと考えられます。事前に連絡のうえ、医療機関の受診をお勧めします。
・富山県から感染者にお渡しする案内用紙「新型コロナ感染症にかかったら」の内容もご確認ください。
・COVID-19罹患者のうち、約90%程度の方はインフルエンザと同様に後遺症症状なく治癒すると言われています。残りの方で発熱症状の軽快後に長期間続く咳・痰などの上気道症状や、味覚異常、食欲不振、倦怠感などの後遺症症状(罹患後症状)が残ることや重症化することが知られています。罹患後症状についての情報は厚生労働省ホームページをご参照ください。
・重症化については、糖尿病を主とする基礎疾患のある方、透析患者さん、高齢者、ワクチン未接種者(接種回数が3回以下と少ない方)で発生しやすいことが徐々にわかってきています。
・罹患後症状については、重症度によらず、軽症の方でも一定の頻度で発生することがわかっています。
・罹患後症状についての治療法は確立していません。漢方薬などが効くという報告も出てきておりますが、罹患後症状のコントロールに苦労するケースもしばしば経験します。
・現状、COVID-19(新型コロナウイルス)に対する抗ウイルス薬はラゲブリオ、パキロビッド、ゾコーバの3剤使用可能であり、当院でもいずれの薬剤も処方可能です。
・いずれの薬剤も、2023年9月までは公費医療の対象で薬剤費の個人負担はありませんでしたが、2023年10月から2024年3月までは、ご自身の健康保険の負担割合により、1割負担の方3000円、2割負担の方6000円、3割負担の方9000円の自己負担が発生することとなりました。最も安価なゾコーバの場合でも薬剤費(薬価)は1回のCOVID-19感染に対し5日分で約52000円であり、本来はこの価格に対し負担割合に応じた自己負担額となりますが、前述の負担額(1割負担の場合で3000円)との差額は引き続き公費からの支出が行われています。パキロビッドの場合は1回の感染に対し5日分で約99000円、ラゲブリオの場合は約94000円の薬価が設定されています。2024年4月以降は公費負担がなくなり、すべて健康保険による自己負担割合となり、ゾコーバの場合約52000円に対する1~3割負担、パキロビッドの場合約99000円に対する1~3割負担、ラゲブリオの場合約94000円に対する1~3割負担となります。
・重症化リスクのある方には、パキロビッドまたはラゲブリオの処方が適応となります。基礎疾患のある方、高齢者の方、重症化リスクの高い方にはラゲブリオまたはパキロビッドの抗ウイルス薬の処方をお勧めさせていただきます。パキロビッドは併用禁止薬が多く、腎機能の悪い方には使用しづらい一方で、妊娠中の方にも3剤のなかで唯一使用可能という特徴があります。ラゲブリオは併用禁止薬はなく、比較的使用しやすい薬剤です。臨床試験データにより重症化リスクの高い群ではラゲブリオよりパキロビッドの投与がより推奨されるというデータもあります。パキロビッドならびにラゲブリオは日本国においても既に通常承認された薬剤です。
・ゾコーバは重症化リスクのない方も対象となる抗ウイルス薬です。(1)感染者自身の発熱、咽頭痛等の症状を早く軽快する、(2)将来的な後遺症のリスクを低下させる、(3)重症化リスクを低下させる、(4)周囲に感染を広げるリスクを低下させる、これらの効果が期待されます。ゾコーバも、2024年3月、通常承認され、通常の処方薬としての処方が可能となりました。
・通常の鎮咳薬や去痰剤、解熱剤等での対症療法でも9割程度は治癒します。しかしながらウイルスの排出が罹患後8-10日程度続くとされ、抗ウイルス薬内服の場合にはウイルス排出期間が3-5日程度に短縮することが分かっています。
・抗ウイルス薬内服を行うならば、後から症状が重くなってから内服するよりも、少しでも早めに内服開始をすることが望ましいとされています。
・ゾコーバについては、若年者でもワクチン未接種の方、最後のワクチン接種からの時間が1年以上経過している方など重症化のリスクの高い方のほか、リスクのない方でも罹患後症状のリスク軽減や重症化予防を目的として、内服を希望される方に処方を行っております。ゾコーバ副作用としては、皮膚掻痒感や皮疹、腹痛、下痢、嘔吐などの症状が3%以下の頻度で発生するほか、ゾコーバの成分に対するアレルギー(アナフィラキシー)を生じた例が報告されています。
・罹患後症状(後遺症)については、どのような方が発生しやすいなどというデータは現在のところはありません。抗ウイルス薬にて罹患後症状はゼロにはなりませんが、頻度は下げられる可能性が示唆されています。
・当院では新型コロナ(COVID-19)に感染された方を対象とした多施設共同臨床研究を行っております。詳細条件に合致された場合、スマートフォンアプリを通じた半年間の健康調査にご協力いただいた場合、謝礼(ギフトカード)をお支払いします。
・これら説明をお読みいただき、ご質問等ございましたら診察時にお尋ねください。

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